「インド細密画」9/16より府中市美術館にて開催

「インド細密画」展示構成と見どころ主な展示品

「絵は一対一で対話するように味わうもの」という芸術観のもと、小さな画面に精密な筆で描かれたインド細密画。流麗な線と鮮やかな色彩は、一目で見る者を魅了し、絵の中の世界へと引き込みます。本展覧会では、インド細密画の優品120点を紹介します。日本とも西洋とも違う、インド絵画の美の世界をお楽しみください。

インドの神々と英雄たちの世界

ヴィシュヌとラクシュミ ラージプト絵画 19世紀中頃
ヴィシュヌとラクシュミ ラージプト絵画 19世紀中頃

ヒマラヤの薬草山を持ち帰る猿王ハヌマーン
ラージプト絵画 1710-20年

世界を維持するヴィシュヌや破壊と再生を司るシヴァらヒンドゥー教の神、あるいは、古代の叙事詩『ラーマヤーナ』に登場するラーマ王子やハヌマーン。神々や英雄は細密画の中心的モチーフです。私たちには縁遠いようにも思えますが、仏教を通じて日本にも伝わり、例えば、ヴィシュヌは馬頭観音、シヴァは大黒天となりました。『ラーマヤーナ』も桃太郎の物語の起源とも言われています。実はインドは、私たちの文化のルーツにも関わっているのです。

音色を絵にする

《アサヴァリ・ラーギニー》
ラージプト絵画 1760年頃
《アサヴァリ・ラーギニー》 ラージプト絵画 1760年頃
《楽器を持つ女》
ラージプト絵画 1760年頃《楽器を持つ女》 ラージプト絵画 1760年頃

感情を直に揺さぶることを大きな目的とするインド芸術では、音楽はとても重要視されました。細密画でも音楽は大切な主題です。例えば、ラーガマーラ(楽曲絵)と呼ばれるものがあります。宮廷では季節や時間にふさわしい曲が演奏されましたが、それぞれの曲の旋律の型、音色そのものを絵画化したものがラーガマーラです。日本や西洋にはないインドならではの伝統と言えます。

愛の絵画

《宮廷のクリシュナ》
ムガル絵画 1770-80年
宮廷のクリシュナ》 ムガル絵画 1770-80年

「愛」を芸術のテーマとするのは、インドに限ったことではありません。しかし、インドには古代から愛を描く文学の深い伝統があり、さらに、ヒンドゥー教の発展の中で、恋人を愛するように神を深く慕うことを尊ぶ信仰の形も生まれました。そのため、神々の愛の物語、人間の世界の愛など、愛のテーマの数々が絵画を彩ったのです。

色彩と線の美しさを味わう

《神の出現》
ラージプト絵画 18世紀中頃
《神の出現》 ラージプト絵画 18世紀中頃
《憩うクリシュナとラーダ》
ラージプト絵画 1780-90年
《憩うクリシュナとラーダ》 ラージプト絵画 1780-90年

インドでは、西洋絵画のようにリアルに描写することを追求しませんでした。色彩や線描といった造形の美しさが、絵を見る人の心に働きかける力を重視したからです。例えば、輝くような黄色の絵の具はインドの特産で、フェルメールら西洋の画家にも愛されましたが、インドの画家たちは、あえて濃淡や陰影をつけず、色の美しさを生かそうとしました。

インドらしさあふれるラージプト絵画

《貴族の肖像》
ムガル絵画 17世紀前半
《貴族の肖像》 ムガル絵画 17世紀前半
《神々を礼拝するマーン・シング王》 
ラージプト絵画 1795年頃
《神々を礼拝するマーン・シング王》ラージプト絵画 1795年頃

本展覧会は、日本画家、インド美術研究家の畠中光享氏が半世紀に渡って収集したインド美術コレクションから細密画の優品およそ120点を紹介します。インド細密画は、描かれた地域によってムガル絵画とラージプト絵画に大別されますが、畠中コレクションの特徴は、特にインドらしさが色濃く表れたラージプト絵画が充実していることで、世界有数のラージプト絵画の個人コレクションと言えます。日本ではまだ見る機会の少ないラージプト絵画をお楽しみください。

「インド細密画」開催概要

会 期2023年9月16日(土)-11月26日(日)
開館時間10:00-17:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
公式HPhttps://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
会 場府中市美術館 2階企画展示室
住 所〒183-0001 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内) googlemao
問合わせ050-5541-8600(ハローダイヤル)

料金(消費税込)

一般:900円、高校・大学生:450円、小・中学生:200円
※10月7日(土)〜10月9日(月・祝)は市民文化の日無料観覧日
プレゼント

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